5/19(土) 5:05配信
朝日新聞デジタル

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イソギンチャクなどが付着したポリ袋。日本海の水深910メートルの海底で見つかった(海洋研究開発機構提供)

 水深1万メートル超の深海でポリ袋の破片がみられるなど、プラスチックごみが深海にまで到達している実態を、海洋研究開発機構などの研究グループがまとめた。研究者は、世界中の海が表層から海底までプラスチック汚染にさらされている、と警告している。

 機構は、有人潜水調査船「しんかい6500」などが潜水調査時に撮影した画像や動画のうち、プラスチック片や金属片などのごみが写ったもののデータベースを構築。研究グループはこれを活用し、太平洋などで1982〜2015年に行われた5010回の潜水調査のデータを分析した。

 確認できたごみは3425個、うち3分の1がプラスチックごみだった。水深6千メートル以上ではこうしたごみが半分以上を占めた。プラごみの9割はポリ袋やペットボトルなど使い捨て製品だった。最も深くで見つかったのは、太平洋のマリアナ海溝の水深1万898メートルの海底にあったポリ袋の破片だった。

 同機構地球環境観測研究開発センターの千葉早苗・主任研究員は「陸から遠く離れた深海まで、私たちの日常生活の影響が及んでいる。プラスチック汚染の観測手法を確立し、国際的な観測ネットワークを作って、効果的な対応策を検討していくことが必要だ」としている。(川村剛志)

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