歴史を紹介 同盟県連が再建60周年記念展 御所 /奈良
毎日新聞 2018年5月19日
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写真や当時のポスターなど県内の部落解放運動の資料が並ぶ=奈良県御所市柏原の水平社博物館で、稲生陽撮影

 部落解放運動の歴史や現在を展示する水平社博物館(御所市)で、部落解放同盟奈良県連の再建60周年を記念した特別展「水平社の精神を受け継いで」が開催されている。同市出身者が中心となった全国水平社の設立から現在まで、運動の変遷をまとめた資料約70点を展示している。9月9日まで。

 県内の部落解放運動は太平洋戦争中の1942年に水平社が消滅して途絶えたが、46年7月に部落解放奈良地方委員会が発足。57年10月に他団体も合流して県連をつくることで合意した。
 今回は写真やパネル、年表などで県内の運動の変遷を展示。県内の被差別部落を舞台にした小説「橋のない川」の映画化を巡り、解放同盟が展開した上映阻止運動や自主製作による作り直しなども紹介している。
 担当する佐々木健太郎学芸員は「『部落差別はもうないのでは』と言われることもあるが、住宅広告やネットなどでは依然存在する」と話す。
5月中は記念品として、花言葉で平和を示す花「アリッサム」の種を仕込んだシードペーパーも無料配布する。【稲生陽】