http://www3.nhk.or.jp/lnews/yamaguchi/20180518/4060000394.html

05月18日 19時55分
去年5月、防府市で生後2か月の娘を車の中に置き去りにして熱中症で死亡させたとして、保護責任者遺棄致死の罪に問われている女の裁判員裁判で検察側は「置き去りは繰り返し行われていて、犯行は悪質だ」として懲役6年を求刑しました。

防府市の小川利恵被告(24)は去年5月、防府市のパチンコ店の駐車場で生後2か月の娘の恵愛ちゃんを車の中に置き去りにして熱中症で死亡させたとして、保護責任者遺棄致死の罪に問われています。

18日、山口地方裁判所で開かれた裁判員裁判で、検察側は「被告は『暑くなることが分かっていた』と母親に話していたほか、医師による精神鑑定で病気による影響は認められなかった。また、消防に通報した際にはうその説明をするなど、状況の判断が可能で責任能力がある」と指摘しました。

その上で、「事件の前にも子どもを自宅や駐車場の車に置き去りにして何時間もパチスロを繰り返すなど、犯行は悪質だ」として懲役6年を求刑しました。

一方、小川被告は「夫とコミュニケーションをとるためにパチンコをしてしまい、母ではなく女としてあることを選んでしまった。事件は誰のせいでもなく、自分の意志の弱さで起きた」と涙ながらに話しました。

また、弁護人は「家族との不和などから不眠で食事も取れず、死にたいという気持ちがあふれ無心で動いていた。複数の医師から精神病と診断されていて心神耗弱の疑いがある上、まだ24歳と若く更生の可能性が高い」として執行猶予付きの判決を求めました。

判決は来週の23日に言い渡されます。