http://www3.nhk.or.jp/lnews/kyoto/20180522/2010000025.html

05月22日 14時21分
ヒトの受精卵から作る万能細胞の1つ、「ES細胞」について、京都大学のグループが、国内では初めて医療に使用できる品質のES細胞を作製し、ことしの夏以降、医療機関に提供していくことになりました。

これは、京都大学ウイルス・再生医科学研究所の末盛博文准教授のグループが記者会見を開いて発表しました。
グループは、去年6月に医療用のES細胞作製について国の承認を受け、不妊治療で使われなくなった受精卵10数個を譲り受けて品質を確保するために厳重に管理された学内の施設で作製を進めていました。

そして、今月、国内では初めて医療用のES細胞の作製に成功したということです。
国内で作製されるES細胞はこれまで基礎研究にしか利用することができませんでした。
今回のES細胞はことし7月ごろから医療機関に提供できるということで、再生医療の臨床研究などに役立てられるということです。

再生医療への応用では国内ではiPS細胞がすでに臨床研究に使われていますが、海外ではES細胞での臨床研究も盛んに進められていて国内でヒトに使えるES細胞の必要性が指摘されていました。
末盛准教授は「ES細胞とiPS細胞の特徴を慎重に比較検討しながら、より安全な再生医療の実現につなげていきたい」と話しています。