https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180525/k10011451841000.html
5月25日 10時06分

特別養子縁組をめぐっては、実の親が反対したり受け入れ先が見つからなかったりして実現しないまま、子どもの年齢が原則6歳未満の対象年齢をすぎてしまうケースも多く、制度の見直しを求める声も出ています。

こうした中、法務省は、特別養子縁組の対象年齢を今の原則6歳未満から引き上げる方向で検討するよう、来月開かれる法制審議会に諮問することになりました。

対象年齢をめぐっては、法務省内の研究会でも12歳未満や15歳未満に引き上げる案が候補として挙がっています。

また、今の制度では特別養子縁組の成立の審判が確定するまでは、実の親が同意を撤回できることになっているため、育ての親が安心して養育できないという指摘もあることから、法務省は実の親による同意の撤回を制限することなども検討するよう求める方針です。

「特別養子縁組制度」は、虐待や経済的な理由などで実の親と暮らせない子どものために昭和62年に設けられた制度で、血縁関係のない大人と法律上の親子関係を結ぶものです。

戸籍上も、「長男」「長女」など、血縁関係のある親子と同じように記載されます。また、養子になる子どもは6歳未満であることや、養親となるのは夫婦でなければならないこと、それに裁判所の審判が必要なことなどの条件があります。

一方、「普通養子縁組制度」は、養子となる子どもが養親より年上でなければ何歳でも可能で、養子が未成年者でない場合は、裁判所の許可も必要ありません。戸籍上も「養子」と記載され、実の親との法律上の親子関係も続きます。法務省によりますと、1年間で成立する件数は、特別養子が500件程度、普通養子がおよそ8万件だということです。