五頭遭難 遺体発見場所 絶壁に阻まれたどり着けず

 阿賀野市の五頭連峰で、新潟市北区の会社員渋谷甲哉さん(37)と長男の小学1年空君(6)と
見られる遺体が発見されたコクラ沢は、捜索隊が捜索を試みたが絶壁に阻まれて断念していた。
捜索関係者は30日、「たどり着くことができなかった」と話した。

 渋谷さん親子は5日に登山に出掛け、6日朝に「下山する」と連絡したのを最後に行方不明と
なった。県警や消防などは7日から遺体が見つかった29日までの3週間に延べ891人を投入した。

 コクラ沢の捜索を試みた阿賀野市消防本部救助隊の板井純一隊長(44)は「上からも下からも、
とても行けるような場所ではなかった。残雪があったら行けたのかもしれない」と話した。

 捜索が難航した背景には、3週間が経過するうちに雪解けが進み、新芽が大きく伸びたことも
あるという。遺体を発見した県警地域課によると、航空隊が上空から見下ろすと一面草木の緑一色
だったが、ヘリを下降させてホバリングし、木々をなびかせることで見つけた。

 市消防本部救助隊の前田俊次さん(40)は「固かった残雪が緩くなって滑落などの危険が増し、
最初は行けた場所にも行けなくなった」と振り返った。

 2人の足取りに関する手掛かりの少なさもあり、捜索に参加した地元の山の会の五百川清四郎会長
(69)は「遭難者がどこにいるか見当も付かない状況で捜すのは本当に難しかった」と声を落とした。

http://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20180531396698.html