麦茶の市場が盛り上がっている。無糖でカフェインを含まないため、健康を気遣う人や妊娠した女性らから幅広く支持を得ている。暑さが本格化する最需要期を前に、飲料メーカーや産地が原料にこだわった商品で販売を進める。

 大手飲料メーカーのキリンビバレッジは5月、ペットボトル飲料「キリン 麦茶」(600ミリリットル140円)を発売。原料に、外皮部分を取り除いた大麦を加えることで「外皮由来の雑味を抑え、麦の甘味を際立たせることができた」(同社)と話す。

 コカ・コーラシステムは4月、「爽健美茶 こだわり素材と麦茶」(2リットル336円)の販売を開始。麦の甘味と香ばしい香りを引き出した。

 大麦産地も商品を売り込む。滋賀県のJA北びわこは4月、管内産の六条大麦「ファイバースノウ」を使った「近江の麦茶」を発売した。1ケース(500ミリリットル24本)2880円。麦茶用に特化した多めに施肥する栽培方法で、実のタンパク含量を増やした。JAは「芳醇(ほうじゅん)な香りで、深みのある味に仕上げた」とアピールする。

 民間調査会社の食品マーケティング研究所によると、ペットボトル飲料など清涼飲料として販売される麦茶の市場規模は2017年に1388億円となり、4年前から約2倍に拡大している。

日本農業新聞
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