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米スターバックスは4日、同社を世界的なコーヒーチェーンに育て上げたハワード・シュルツ会長(64)が今月26日に退任すると発表した。米紙とのインタビューで同氏は、大統領選出馬の可能性を否定しなかった。
シュルツ会長が昨年、最高経営責任者(CEO)を退任した際、同氏の政治的野心をめぐる憶測が浮上していた。
米紙ニューヨーク・タイムズが4日付で掲載したインタビューでシュルツ氏は、大統領選への出馬の可能性を否定しなかった。同氏は、「新たな人生でやりたいことの一つに、お返しをするために何か果たせる役割がないか探すことがある」と語った。「それが何を意味するのかは、まだはっきりとは分からない」。
シュルツ氏はさらに、「国のため役に立ちたいが、それが公職に立候補しなくては達成できないと意味するわけではない」と付け加えた。

社会的な議論

シュルツ氏は1982年に、業務とマーケティングの責任者としてスターバックスに入社。いったん独立したが、1987年に同社を買収し、36年にわたってCEOを務めた。
スターバックスによると、シュルツ氏の下で同社は、合計11店から2万8000店以上の巨大チェーンに成長。株価は約210倍になった。
名誉会長に就任する予定のシュルツ氏は、著名な経営者としての立場を使って、社会的な議論でも意見を述べてきた。
従業員に健康保険を提供してきたスターバックスは、米国の小売業では先駆者的な存在で、移民問題についても明確な立場を表明してきた。
今年4月に、ペンシルベニア州フィラデルフィアのスターバックス店舗で友人を待っていた黒人男性2人が警察に通報され不法侵入の容疑で逮捕されたことについて、シュルツ会長は米CBSニュースに対し、「起きたことはあらゆる面で非難に値する」と語り、厳しい態度を示した。

スターバックスによると、シュルツ氏は今年の夏を本の執筆や家族と時間を過ごすことに充てる予定だという。
(英語記事 Starbucks boss leaves firm after 36 years)

シュルツ会長
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