東京都は五日、国の法案より規制を厳しくする受動喫煙防止条例案を発表した。四月に発表した骨子案の内容をほぼ踏襲したが、火を使わない加熱式たばこは国の法案に合わせて規制を緩め、飲食店での分煙を認めた。十二日開会の都議会定例会に提出する。

 最大会派の都民ファーストの会や第四会派の共産などが厳しい受動喫煙対策の実施を求め、両会派で過半数を占めるため、条例案は可決、成立する見通し。都は年内から段階的に施行し、東京五輪・パラリンピック前の二〇二〇年四月の全面施行を目指す。

 加熱式たばこは骨子案で、喫煙専用室を設ければ吸えるが、専用室では飲食不可としていた。だが、分煙すれば飲食しながら吸えるように変更した。都は「法案との整合性を考慮し、たばこ業界や飲食店などの要望も踏まえた」と説明。加熱式たばこは受動喫煙による健康被害の実態が明らかになっていないこともあり、経過措置として規制を緩めた。条例案では、従業員を雇っている飲食店は原則禁煙で、紙巻きたばこについては飲食不可の喫煙専用室でのみ喫煙可能とした。 (榊原智康)

東京新聞:http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201806/CK2018060602000114.html