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8日未明 日米首脳会談へ 米朝会談に向け非核化や拉致が焦点
2018年6月7日 12時20分

史上初の米朝首脳会談を前に、日本時間の8日未明、ワシントンで日米首脳会談が開かれます。北朝鮮に融和的な姿勢も見せるトランプ大統領が、非核化に向けて圧力を維持する方針を確認するのかや、拉致問題を提起することを改めて確約するのか注目されます。
安倍総理大臣とアメリカのトランプ大統領は日本時間の8日未明、ホワイトハウスで日米首脳会談に臨み、来週12日に行われる史上初の米朝首脳会談に向けて協議します。

両首脳は、ことし4月にも南部 フロリダ州で会談し、北朝鮮に対して完全な非核化などを求めていく方針を確認し、トランプ大統領は、米朝首脳会談で拉致問題の解決を訴える考えを表明しました。

ただ先週、トランプ大統領は北朝鮮に対し、「最大限の圧力ということばはもう使いたくない」と述べるなど、融和的な姿勢も見せていて、譲歩を引き出せるのか危ぶむ声も出ています。

また、トランプ大統領は北朝鮮のキム・ヨンチョル朝鮮労働党副委員長と面会した際、人権問題については協議しなかったと明らかにし、米朝首脳会談で実際に拉致問題が提起されるのか不安視する声もあがっています。

このため、今回の日米首脳会談で、トランプ大統領が非核化に向けて圧力を維持する方針を確認するのかや、拉致問題を提起することを改めて確約するのか注目されます。

拉致問題解決につながるか危ぶむ声も

日本政府は、米朝首脳会談の開催が核・ミサイル問題に加えて、拉致問題の解決につながることを強く期待しています。

特に拉致問題をめぐって安倍総理大臣は、アメリカのトランプ大統領に対し重要性を繰り返し訴えてきました。

これに対してトランプ大統領は去年9月、国連総会の演説で拉致被害者の横田めぐみさんに言及しました。さらに去年11月に日本を就任後初めて訪れた際には拉致被害者の家族と面会し、その後の記者会見で「この問題に共に取り組み、何ができるか考えていく」と述べ、日本に協力する考えを示しました。

そして、ことし4月に南部フロリダ州で安倍総理大臣と会談した際、トランプ大統領は、米朝首脳会談で北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長に対し拉致問題の解決を求める考えを表明しました。

またホワイトハウスの高官は、横田めぐみさんの弟の拓也さんが先月、アメリカを訪れた際に面会し、米朝首脳会談ですべての被害者の帰国を迫ってほしいという訴えに耳を傾けました。

ただトランプ大統領は、今月1日にホワイトハウスで北朝鮮のキム・ヨンチョル朝鮮労働党副委員長と面会した際、人権問題については協議しなかったと明らかにしました。この時、トランプ大統領は記者団に対し、米朝首脳会談では人権問題を協議する可能性があり「おそらくするだろう。詳しくするかもしれない」とも述べていますが、日本では実際に拉致問題が提起されるのか不安視する声も上がりました。

このためトランプ大統領が米朝首脳会談で拉致問題の解決を強く訴えるのか、そしてキム委員長がどのような反応をするのかが、日本にとっては非核化と並んで重大な関心事項となっています。

しかし「拉致問題は解決済み」としてきた北朝鮮の出方は見通せません。

さらに日本にとっては北朝鮮の短距離や中距離の弾道ミサイルが安全保障上の深刻な脅威ですが、ポンペイオ国務長官は、米朝首脳会談で協議するのは「アメリカにとっての核の脅威だ」と述べています。トランプ政権にとっては核弾頭とアメリカに到達するICBM=大陸間弾道ミサイルの問題が最優先事項だと考えていることがうかがえます。

このため日本政府は、北朝鮮が保有するすべての大量破壊兵器や、あらゆる射程の弾道ミサイルの完全で検証可能かつ不可逆的な方法による廃棄の実現が重要だと繰り返し訴えていて、北朝鮮が大量破壊兵器や弾道ミサイルを完全に廃棄するまで圧力を維持すべきだと主張しています。

ところがトランプ大統領は「最大限の圧力という言葉はもう使いたくない」と述べるなど、融和的な姿勢も見せていて、北朝鮮から譲歩を引き出せるのか危ぶむ声も出ています。
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