メキシコでは先月下旬から各地で最高気温が50℃近くに上昇する熱波が続いており、北部では信号機が溶けたり、熱中症による死亡が相次ぎ、22州が緊急事態を宣言した。

 米海洋大気庁(NOAA)の国立ハリケーンセンター(NHC)によると、メキシコ沖の太平洋では5日現在、発達した熱帯低気圧が西へ向かって進んでおり、数日以内にハリケーンになると予想されている。

 この熱帯低気圧を引き起こしたのは、先月下旬から10日近く続いた異常な猛暑。同国気象サービス(SMN)によると、チワワ州で最高気温48℃、コアウイラ州やイダルゴ州で47℃に達するなど、北部を中心に広い範囲で45℃以上の高温を観測し、5月の気温としては、過去50年間で最高記録を更新した。

 このため、国立市民保護局は先月30日、22州573市町村で熱波による緊急事態を宣言。コアウイラ州トレオン市とドゥランゴ州ゴメス・パラシオ市では、あまりの暑さで信号機が溶けるなどの異常事態も報告された。

 熱中症による死亡も多く、メキシコ全土で10人以上が死亡したと推定されている。国立市民保護局のリカルド・デ・ラ・クルズ総督は「この猛烈な熱波が、強力なハリケーンを誘発するおそれがある」として、今シーズンは平年を上回る32の熱帯低気圧が発生するという予測を発表している。



hazard lab 2018年06月06日 15時07分
http://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/2/5/25086.html