ミャンマーのアウンサンスーチー国家顧問(72)は7日、首都ネピドーで朝日新聞の単独会見に応じた。昨年8月以降、約70万人が隣国バングラデシュに逃れて難民になったイスラム教徒ロヒンギャの問題について、「バングラデシュとの合意に基づいて取り組んでいく」と語り、国内に反発もある難民の帰還を進めていく意向を示した。

 ロヒンギャをめぐっては、治安部隊などによる殺人や放火、性的暴行といった人権侵害が報告されており、国連などが調査団受け入れを求めてきた。スーチー氏は5月末になってようやく外国人の法律専門家も含む独立機関の設置を発表。インタビューでも同機関が調査をすることについて改めて言及したうえで、「(同機関から)長期的な視野に立った助言を受けることになる」との考えも示した。

 スーチー氏が事実上のトップを務めるミャンマー政府は国連調査団の受け入れや難民帰還への国連の関与を拒否するなど、国際社会の要求に反発してきた。今回、スーチー氏は国際社会に一定の歩み寄りを見せつつ、問題解決を探る姿勢を示した形だ。

 スーチー氏は一方で、ロヒンギャの問題は「歴史的に続く極めて難しい問題で、すぐに解決するものではない」と主張した。難民が身の安全への不安からミャンマー側に戻ることを恐れていることについては、「治安部隊の指導や治安の強化に力を入れて取り組み、安全を確保する努力をしている」と説明した。(ネピドー=染田屋竜太、貝瀬秋彦)

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