【ワシントン=塩原永久】ロス米商務長官は7日、米制裁措置を受けている中国の通信機器大手、中興通訊(ZTE)が、10億ドル(約1100億円)の罰金の支払いや、経営陣の刷新に合意したと発表した。米政府はZTEに対する制裁を停止するが、新たな違反が確認されれば、制裁は再開されるとしている。

 一方、ロス氏は同日の米CNBCの番組で、ZTEとの合意は、米政権が検討する知的財産権侵害をめぐる対中制裁措置の発動の是非に「影響を与えない」との見方を示した。

 米商務省の発表によると、ZTEは10億ドルに加え、将来の罰則発生時に没収される4億ドルの預託金を支払う。30日以内に経営陣を入れ替え、米国側が指定するコンプライアンス担当者を置く。

 米商務省は4月、北朝鮮とイランに対する制裁措置に違反したZTEに対し、米企業が同社に部品などを輸出することを禁じる制裁を発動。部品供給が途絶えたZTEは主要業務が停止し、経営危機に陥っていた。トランプ米大統領は先月下旬の米テレビのインタビューで、ZTEの制裁緩和で中国の習近平国家主席と合意したと述べていた。


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