知られざる安部外交の成果

2014年のプーチン大統領を外して行われたG7サミットで
ウクライナ情勢が焦点になった時
オバマが各国に指示書のようなロシアに対する制裁リストを突き付けた。
オバマの首脳達に対する高飛車で押し付けがましい態度に不愉快さと
不信感で会議は荒れました。
ロシア制裁は米国に比べればヨーロッパはリスクが大きく
二の足を踏むのも当然ですから会議は険悪な雰囲気になりました。

議長を務めるドイツのメルケル首相は「それぞれ国によって事情が違う」
と異議を唱えました。
イタリアのレンツィ首相も難色を示しファン・ロンパイEU大統領も
「こんな紙切れを見せられては困る」と不満げに言いました。

さらにオバマ大統領とフランスのオランド大統領が激突しました
オランド大統領が「そんな勝手なことを言うべきではない」と、
真っ向からオバマ大統領に噛みついたのです。
話が進まず、特にオバマとオランドの対立は顕著で、
ついには怒鳴り合いの喧嘩にまで発展したそうです。

このままだと米欧の亀裂の溝が深まってしまう…。

このタイミングで発言を求めたのが安倍総理でした。

安倍総理は「4つの提案をしたい」と言葉を継ぎました。
安倍総理はまず、会議で孤立気味のオバマ大統領に手を差し伸べるように、
「さすがに、立派な提案であると思う」と持ち上げました。
そのうえで、「だが、ここでは協議の集約をはからなければならない」
と一同を見渡しました。

安倍総理が挙げた折衷案は、

●ロシアに対して5月のウクライナ大統領選の結果を尊重し、ポロシェンコ政権を承認させること。
●ロシア派ウクライナから全てのロシア兵を撤退させること。
●追加制裁を含めロシアへの圧力を維持すること。

などの項目でした。
安倍総理はウクライナ問題をめぐる米欧対立という状況下で、
際どい議論を引き取ることに成功しました。
議長のメルケル首相は間髪入れずに、こう言いました。
「安倍総理の提案は素晴らしいものだ。
G7はこの提案にそって実行することに決したい。これにて閉会する」
首脳たちも、一瞬の隙をついて落とし所を提示した安倍総理の提案に乗りました。
日本が米欧決裂の危機をからくも救ったのです。

会議終了後、会場では珍しい光景が見られました。
まず、議長のメルケル首相が安倍総理に歩み寄り、強く握手を求めました。
孤立しかかったオバマ大統領は、
安倍総理に近づいて肩をしっかりと抱きしめました。

オランド大統領も安倍総理のところに飛んで来て、
何とハイタッチを求めてきました。
もちろん安倍総理もそれに応じました。

この様にマスコミは決して報じないが安部総理は外交面においても
奮迅の活躍を見せているのである。