沖縄県の米軍基地反対運動を扱った番組「ニュース女子」(昨年1月放送)について、「重大な放送倫理違反があった」との意見書を出した放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は11日、放送した東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)から先月提出された再発防止策を公表した。MXは同2月に自社サイトで「放送法及び放送基準に沿った制作内容」とした見解を取り消し、「注意と配慮を欠いたため、諸方面から批判を受けるような内容の放送をした」と認めた。

 MXは検証委から問題があると指摘された番組の考査について、以前類似した内容を放送した際にクレームがなかったことなどから「特段指摘事項はなし」と判断したと説明。「情報バラエティー」という番組分類を前提にしたため「考査の方法や判断が甘かった」とした。さらに番組名は「報道番組を想起させ、番組で扱った事象は一つ一つより踏み込んだ裏付けが必要だった」と結論づけた。

 放送した責任を取り、会長や社長ら関係役員は4、5月分の役員報酬の一部を自主的に返上。また昨年7月に新設の考査部を今春増員したという。

 番組は米軍基地建設への抗議活動を「過激派デモの武闘派集団」などと表現したことから、「誤解や偏見をあおる」と批判が出ていた。検証委は同12月に意見書を公表。MXは今年3月に再発防止策を報告したが、検証委は「具体的な改善策」への言及が不十分として、追加回答を求めていた。【屋代尚則】

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