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大麻は禁止すべきとは言えない。


大麻の合法化と国連1961単一条約に関して

1961年に締結された「麻薬に関する単一条約」が、各国のドラッグ政策を縛る一方で、また言い訳にも使われてきた。
そして虚偽が蔓延してしまっている。

例えば大麻を合法化しようにも、単一条約から来る「義務」としてできないものだと思い込み、いつのまにか、合法化できないという理由として単一条約があるから
という言い訳が定着してしまった。

しかし、まともに条約の内容を検証すればその解釈が間違っていることは簡単に分かる。
実際、単一条約は、「個人」使用目的でのいかなるドラッグの所持・生産・配布を刑事犯罪として扱うことを批准国に義務付けてはいない。

こうした解釈は、少なくとも、国連では条約に相反するものではないと受け入れてきた。
それは、国連自身による単一条約に関する公式の見解によっても明確に述べられている。
(‘Commentary on the Single Convention on Narcotic Drugs’, 1961, United Nations, New York, 1973.)

また、この件については、72年に発表されたアメリカのカナビスとドラッグに関する連邦委員会 (シャーファー委員会)でも詳細な検討が行われ、
監査調書の結論では、
「国が個人使用目的の所持を処罰対象にするかどうかについては、単一条約で要求されているものは何もない」
 と書かれている。

更なる権威ある解釈とすれば、条約会議の全権主任草稿委員を務めた事務次長アドルフ・ランド教授によるもので、
「単一条約で罰則規定として使われている『所持』や『売買』という用語は、違法な流通目的での所持や売買を意味しているだけで、結果として、
個人の使用目的でのドラッグの所持や入手に関しては単一条約の対象になる必然はなく、
罰すべき罪や重大犯罪として扱うように定めているわけでもない」 としている。
(A. Lande The International Drug Control System in Drug Use in America: Problem in Perspective, Appendix, Technical Papers, Vol. III, p 129.)

単一条約の罰則規定を正しく解釈するためには、ドラッグの生産と供給についてのみを対象としてしており、その結果として2次的に出てくる
個人使用に関しては対象になっていないことを理解しなければならない。
つまり、所持ばかりではなく栽培や販売についても、個人使用目的のみで商的な流通に係わっていない限りは、
単一条約では罰則の対象とすることは要求されていないのである。

また、他にも事実として以下の様な点が有る。

勧告に従って、国連麻薬委員会が大麻を条約の対象物質から外すことには制約はかけられていない。
大麻を対象から外すことは条約の修正によって可能になっている。
そのためには、1ヶ国からでも提案されれば、国連理事会が特別会議を招集して議論することになっている。
そうした例とすれば、1978年4月19日にオランダ代表が理事会に、より明示的に条約を修正すべきだと提案したことがある。

また単一条約に参加している国は、6ヶ月前に通告することによって脱退することができることになっている。
「しかし脱退をすれば、国際的な阿片系ドラッグのコントロール・システムが崩壊し、合法的な使用のための麻酔剤などの入手にさえ支障が出る」
などとも言われるが、そのようにならないことは明白だ。

例えば、アイルランドは条約に署名していないが何の不便も被っていないし、
実際のところ、現実のコントロール・システムは世界中のすべての国に適応されており、単一条約に加盟しているか否かには関係がない。
この件については、単一条約の12、13、14及び21条項の規定により、国際麻薬統制委員会が専任で担当することになっている。

そして、1969年の条約法に関するウィーン条約では、国際条約の条項の「選択的廃棄」手順が明文化され、
条約そのものの 「事実誤認」 や 「環境の根本的な変化」 などを含むさまざまな理由で、国が条約の一部を一方的に廃棄できるようになってもいる。

そして大麻の栽培に関しては植物の花や実や樹脂を他の部分から分離しない限り、目的の如何にかかわらず適応できない。