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オランダ人の生涯経験率は76年から世界に先駆けて非犯罪化しているにも関わらず、アメリカやイギリス人の生涯経験率の約半数程度に留まる。
つまり大多数のオランダ人は大麻を経験すらしてないのです
一方でアメリカやイギリスでは禁止法にも関わらず、大麻を経験する人の率は約半数近く有り続けてきています。
ガン治療だけが大麻の有効利用の道ではありませんが、
もし抗がん剤やオピオイドを使うにせよ、大麻には医療的価値があり、害の削減に役立ちます。

【有害作用を軽減する方法(Harm Reduction Strategy)としてのカンナビノイド治療】
先進国においてはオピオイドの使用が急激に増加しています。
その結果、オピオイド依存やオピオイドの過剰服用による死亡が、社会問題として認識されるようになってきました。
がん性疼痛のコントロールにおいてオピオイドが中心になっており、がん治療の進歩によって進行がん患者の生存期間が延びているため、
オピオイドを長期間服用しているがん患者が増えています。
がん患者における長期間の高用量のオピオイド治療は、依存や中毒の副作用があります。
さらに、内分泌機能異常や骨粗しょう症や免疫抑制などの副作用が問題になっています。
オピオイドによる内分泌機能異常は、おもに視床下部―下垂体系を中心に惹起され、
なかでも性腺機能低下症の報告例が最も多く、副腎機能低下症や成長ホルモン分泌不全の報告もあります。
これらの内分泌機能異常は単に患者のQOLを低下させるのみならず、様々な代謝異常や臓器機能の異常を呈し、
時に生命にかかわる病態に進展する場合もあります。
また、進行がんの患者や疼痛が増強している患者ではオピオイド誘発性痛覚過敏症候群
(Opioid-induced hyperalgesia syndrome)の副作用の増加が指摘されています。
オピオイド誘発性痛覚過敏とはオピオイド投与による痛みの感受性増加と定義され, 
鎮痛薬の増量にもかかわらず疼痛が増悪したり, 
原病の進行や解剖学的に説明のつかない痛みを伴ったりすることもあります。
動物実験などの前臨床試験では、
コデイン、モルヒネ、メサドン、レミフェンタニルのようなある種のオピオイドはがんや感染症の悪化による死亡率の増加と関連していることが報告されています。
米国の2010年のデータでは、1年間に38329人が医薬品の過剰投与で死亡しており、最も多い原因はオピオイド系鎮痛剤で年間死亡数は16651人です。
オピオイド系鎮痛剤の過剰投与による死亡がこの10年以上にわたって年々増えています。
これは、がん以外の慢性疼痛に対するオピオイド系鎮痛薬の投与が増えているためです。
(JAMA. 309(7):657-659. 2013年)
最近の研究によって、医療大麻がオピオイドの減量と鎮痛効果の改善に有効であることが示されています。
米国の研究では、医療大麻が合法になっている州では、オピオイドの過剰投与による死亡数が減少していることが報告されています。
「医療大麻法がない州に比べて、医療大麻法がある州では、年間の オピオイド鎮痛薬の過剰投与による死亡率が平均して24.8%少なかった」
という報告があります。

Medical Cannabis Laws and Opioid Analgesic Overdose Mortality in the United States, 1999-2010
(医療大麻法とアメリカ合衆国の1999年から2010年のオピオイド系鎮痛薬の過剰投与による死亡率)
JAMA Intern Med. 2014年