6/13(水) 11:32配信
デーリー東北新聞社

 2016年8月にいじめを訴えて自殺した青森市立浪岡中2年の葛西りまさん=当時(13)=の父剛さん(40)が12日、東京都内で開かれた、いじめ問題の勉強会で講演した。第三者機関での調査の在り方が全国的に問題になっているとして「重大事案発生の早期段階で、真実を学校と家庭が共有できる仕組みを法律の中で確立してほしい」と訴えた。

 勉強会は、13年に「いじめ防止対策推進法」が施行された後も、子どものいじめ問題が深刻化している状況を踏まえ、NPO法人ジェントルハートプロジェクト(神奈川県)が主催。約100人が参加した。

 剛さんは、16年9月に第三者機関の「青森市いじめ防止対策審議会」が調査を始めた時から現在までの経緯を説明。当初の審議会委員や学校の対応に疑問を抱いたほか、審議会が一度、自殺要因に「思春期うつ」を挙げたことにも納得がいかない―と訴えた。

 全国各地のいじめ問題で「遺族対調査機関」という構図が出来上がっているとして「現状のシステムに限界を感じる」と指摘した。

 教育評論家の尾木直樹氏は、「教師はいじめが命に関わるということを熟知する必要があり、義務を果たさなかった場合の処分を法律に明記するべきだ」と課題を挙げた。

 りまさんの自殺を巡っては審議会での調査が続いている。取材に対し、剛さんは7月中旬にも報告書の内容が遺族に示される可能性があるとの見通しを示した。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180613-00010002-dtohoku-l02