東芝は13日、7000億円程度の自社株買いを実施すると発表した。時期については「可能な限り早く」としている。昨年12月の6000億円の増資や半導体子会社だった東芝メモリの売却で財務が改善。増資を引き受けた株主からは、早期の自社株買いを求める声が強まっていた。

東芝がこのタイミングで巨額の自社株買いの方針を表明したのは、27日に予定している株主総会対策との見方もある
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東芝がこのタイミングで巨額の自社株買いの方針を表明したのは、27日に予定している株主総会対策との見方もある

東芝は大型増資で今年3月末に債務超過を解消し、上場廃止を免れた。さらに6月の東芝メモリ売却で1兆円超のキャッシュを手に入れ、一段と財務が盤石になった。

一方で昨年の増資を引き受けた海外ファンドなどからは「経営危機を脱した今、早急に自社株買いで増資に応じた株主に還元すべきだ」との声が強まっていた。そのため今回、天然ガス関連や証券訴訟のリスク、構造改革費用などを考慮し、7000億円程度の自社株買いが適当だと判断した。具体的な株式取得方法は検討中という。

東芝がこのタイミングで巨額の自社株買いの方針を表明したのは、27日に予定している株主総会対策との見方もある。株主の一部には「自社株買いなどの還元姿勢をみせなければ、車谷暢昭会長の取締役選任議案に反対する可能性もある」との声が出ていた。総会前に株主に配慮する姿勢を示すことで、経営再建を円滑に進めたいとの考えがあったようだ。

自社株買い方針の発表を受け、13日午前の東芝株は一時、前日比8%超上昇した。

2018/6/13 11:52
日本経済新聞
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