敦賀延伸に向け作業が進む新九頭竜橋(仮称)の工事現場(1日、福井市で。小型無人機から)
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北陸新幹線の敦賀延伸により、富山、石川、福井の北陸3県は新幹線で結ばれる。

 北陸新幹線と東海道新幹線による北陸、中部、関東圏の環状線がほぼ形成され、北陸への経済効果が期待される。

 「東京から北陸新幹線で敦賀まで行けば、京都や名古屋は近い。足を延ばして、東海道新幹線で東京に戻ることもできる。ぐるっと回って観光する動きも出てくるのでは」。福井県立大地域経済研究所講師の江川誠一さん(51)は指摘する。

 敦賀―米原(滋賀県)間のみ在来線を使えば、北陸新幹線と東海道新幹線の双方を利用できる。

 北陸3県が新幹線で結ばれるだけに、さらに連携した観光戦略が求められる。

 「北陸全体を周遊ルートにすれば、プラス効果は大きい。永平寺(福井県)と高岡大仏といったテーマ性のある観光ルートもつくれる。例えば、兼六園(金沢市)のスタッフに恐竜博物館(福井県)のことを聞いても答えられるようになればいい」と江川さんは話した。

 一方、北陸新幹線の金沢―敦賀間125キロの延伸工事は順調に進んでいる。工事を統括管理している鉄道・運輸機構によると、5月1日現在の用地取得率は98%で、全58工区で工事が始まっている。

 福井県北部を流れる九頭竜川の中流では、作業用の橋からクレーンが資材や機材をつり上げ、架橋に運ぶ作業が行われている。建設中の新九頭竜橋(仮称)は全長414メートル。全国初の新幹線と道路の併用橋になる。

 福井県南越前町と敦賀市をつなぐ、全国6番目の長さとなる「新北陸トンネル」(全長19・7キロ)の掘削延長は5月1日現在、約60%に達している。

 福井駅は基礎工事を終え、高架橋工事が行われている。小松、加賀温泉(以上、石川県)、芦原温泉(福井県)、南越(同、仮称)、敦賀の5駅は基礎工事が続いている。

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2018年06月13日 09時26分
YOMIURI ONLINE
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