>>788
ありがとう。
事業所で社屋に非難していた。
通りの向こうに逃げ遅れた年配の女性がいて腰を抜かしたようで動けない。
同僚が何人か膝まで水に浸かって助けに行った。自分もいかざるを得なかった。
ところが急に水かさと勢いが増し、通りの真ん中まであたりまでいくと既に腰まで水に浸かっていて、
周りに同僚達の姿はなかった。振り返るとみんな諦めて社屋の方に引き返していた。
自分はええい、ままよと女性のところまで行き、全身ずぶ濡れになりながら、女性を抱えながら近くのビルまで行き、
屋外階段から女性を上に押し上げた。
少し離れた社屋ではみんなが無責任に「頑張れ頑張れ」と声援を送っていたが、笑ってる奴もいてけっこう腹が立った。
女性を抱え上げたり押し上げたりで自分の筋力はつきてしまった。自分は水が引くまでずっと
屋外階段の手すりにしがみついていた。もっと水かさが増していたら流されていたと思う。
泥水の中で女性に夢中でしがみつかれ、顔中引っかかれて破傷風菌に感染して
今でもうっすらと顔に傷が残る。
その女性が生還したのは確かだが、その後の消息はわからない。名前さえ聞いていない。
その後事業所ではみんなで協力して女性を救助したという美談にしたてられていった。
その事業所もその後の合併統廃合でなくなった。