日本ガス協会の会長に14日、東京ガスの広瀬道明会長が就任した。同日の記者会見で広瀬会長は「原子力発電所の再稼働は必要だ」と話した。エネルギー源の多様化のために原発再稼働を進め、再生可能エネルギーや天然ガス火力発電と組み合わせる必要があるとの見方を示した。

2011年の東日本大震災を受けて国内のすべての原発が停止し、天然ガス火力発電で代替するため、日本の液化天然ガス(LNG)の輸入量は急増した。広瀬会長はこれを念頭に「当時のLNG価格は急騰し、調達を担当する部門は苦労した。ガス会社にとっても原発は再稼働してもらう必要がある」と話した。

 政府が素案をまとめたエネルギー基本計画については「資源の乏しい日本はあらゆる可能性に目配りする『したたかさ』と『しなやかさ』が必要だ。エネルギー基本計画は戦略性と柔軟性を併せ持つ」と評価した。

 広瀬会長は天然ガスの普及拡大に向け「再生エネとガスの連携のほか、エネルギービジネスのデジタル化に注目していきたい」とも話した。

2018/6/14 17:03
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31765600U8A610C1X93000/