伊勢神宮(三重県伊勢市)の内宮で17日、車いす利用の人たちが参拝するのを支援する「車いすde伊勢神宮参拝プロジェクト」が開かれ、車いすの15人と地元高校生らのボランティア約60人が参加した。

 正宮まで約800メートルの参道は玉砂利で、車いすの通行が困難なため、タオルを前輪に掛け、2人で両側からつり上げて浮かし、もう1人が押して進んだ。正宮前にある25段の階段は3人で持ち上げ、1段ずつゆっくり上がった。

 初めて参拝した特別支援学校中学部3年の松本晴さん(14)=大阪府東大阪市=は「みんなが支えてくれたので、階段も怖くなかった」と笑顔で話した。

 ボランティアで参加した伊勢市の私立皇学館高2年の田中杏奈さん(16)は「車いすの人の目線に立つことが大事だと実感した」と振り返った。

 車いすでも気軽に参拝できるようにと、2011年に始まったプロジェクトは今回が18回目。代表の黒田健さん(57)は「景観を変えなくても、バリアフリーは心で実現できる。若い世代にとって貴重な経験になれば」と語った。
https://www.sankei.com/smp/west/news/180617/wst1806170041-s1.html
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