>>793 つづき

1.2心血管系への影響

カナビスの摂取は、一時的な頻脈を激しく促進し、ヒトの仰臥位血圧を上昇させる。
反復曝露では、これらの影響に対して耐性が発現し、いくつかの例では、反復大麻曝露は、
ベースラインの下で血圧および心拍数を低下させる。

大麻使用と心臓発作との間には不確実な関連性があるが、いずれの関連性も、
ひいき目に見ても弱いと思われる。

急性心筋梗塞患者3882例を対象とした研究では、心筋梗塞事象の1時間前に
6人の患者が大麻を使用し、相対危険度が3.2であることが判明した。

しかし、急性心筋梗塞を有する2451933人の患者のより最近のより大規模な研究では、
嗜好大麻使用は、わずかながらも心筋梗塞リスクの有意な増加をもたらしたことを示した。
(オッズ比(OR)= 1.03)

しかし、大麻使用は、最近の集団調査(OR = 0.87)において、心房細動リスクの低下と関連していた。

大麻喫煙は、狭心症患者の運動誘発性狭心症の潜伏期を低下させる可能性があり、
煙中の一酸化炭素が血液酸素化を減少させ、心臓虚血を増加させる可能性が最も高い。

大麻喫煙が虚血性脳卒中の危険性を増すことを示唆する限られた人口ベースの証拠がある。
しかし、この関係は喫煙の寄与を解明するのは難しい。

1.3呼吸器系への影響

肺経由による効率的なカンナビノイド摂取は中枢神経系への迅速な分布を可能にするので、
喫煙は大麻投与の主な経路であった。

通常の大麻使用者は、慢性気管支炎(咳嗽、喀痰の産生増加、気道の喘息)の割合が高くなる。
これは、カンナビノイド自体が気道に損傷を与えるのではなく、気道に対する喫煙の刺激作用による。

カナビス喫煙は、気道動態を改善し、気管支拡張効果を有する。

現在、大麻と呼吸機能に関する最大の研究は、20年以上に渡る5000人のサンプルで
用量反応関係を報告した。

大麻の低レベル(月3〜5回のジョイント)を使用する人は呼吸機能を改善した。
しかし、ヘビーユーザーの呼吸機能には障害があった。

最近の研究によって提案されたように、気化器(ヴェポライザー)の使用と、
喫煙以外の施用法を増やすことは大麻と関連した呼吸複雑化を減らしそうである。

(つづく)