大阪府北部で震度6弱を観測した地震の影響で、徳島県内で大規模な「誘発地震」が起きないかどうかが心配される。活断層に詳しい徳島大大学院の村田明広教授(構造地質学)は、大阪の地震の規模や、震源の場所などから「可能性は低い」としながらも、同様の内陸型地震はどこでも発生する恐れがあるとし、警鐘を鳴らす。

 誘発地震は、巨大地震の後に震源域から離れた場所で発生する。地盤に蓄積されたひずみエネルギーが最初の地震で解放される半面、周辺の活断層に負荷が加わるなどして別の地震を誘発する現象で、余震とは異なる。2016年に震度7を観測した熊本地震は、前震に誘発されて本震が起きたとみられる。

 気象庁によると、今回の地震の規模を示すマグニチュード(M)は6・1で、震源は大阪平野から六甲山地へ東西に延びる有馬―高槻断層帯の東端近く。村田教授は「地震の規模が大きくないほか、中央構造線といった徳島に影響を及ぼす活断層とは離れているため、関連はほぼないだろう」と話す。

 その一方で、震源付近を含む近畿圏には数多くの活断層があり「今回の地震を機に、連鎖的に別の地震が発生する可能性はある」と指摘。西日本は地震の静穏期(約30年)と活動期(約70年)を交互に繰り返しており、「現在は活動期とされ、今回のような地震はどこで起きてもおかしくない。対岸の火事と思わず、県内でも備えを進めてほしい」と呼び掛けている。

http://www.topics.or.jp/articles/-/62566