12月の一斉オープンに向け、改修工事が進む旧ホテル百万石=加賀市山代温泉高価格帯の別館「梅鉢亭」は外壁の補修も始まっている
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加賀市山代温泉の旧ホテル百万石を取得し、改修を進めるビッググループ(大阪市)は、12月初旬に本館と南館、別館「梅鉢亭」の全3館を一斉開業する方針を固めた。全面改修後は「国際観光旅館加賀百万石」と称し、シニア向けフィットネスクラブも設ける。3館ごとに価格帯を変え、個人、団体旅行客の需要を幅広く取り込む。

当初は高価格帯の梅鉢亭を先行オープンさせる方向で検討していた。全館同時に営業を始めることで、過去に昭和天皇が宿泊された由緒ある宿の「復活」をより強くアピールする。

全面改修では本館の小宴会場を客室に変更し、以前より10室多い235室とする。各種ショーを楽しめる「お祭り広場」を再開するほか、新設のシニア向けフィットネスクラブには全長25メートルのプールを備える。カラオケルームも設置する。

ビッググループの金沢孝晃会長によると、宿泊料金は梅鉢亭が1泊1人3万5千円、南館が2万円、本館が1万5千円程度になる見込み。フィットネスクラブは宿泊客のほか、会員になった住民も利用できるようにする。会費は1カ月7千円程度を想定し、会員になれば温泉入浴もできる。

既存の建物は5年間の休業中に内外装が傷んだり、盗難被害に遭ったりした箇所があり、じゅうたんや電気設備は更新する。喫茶スペースをつぶしてロビーを拡張するなど間取り変更を伴う改修を施し、2万坪超の敷地に点在する庭の手入れも進めている。温泉の掘削工事は終了した。

従業員は約250人の雇用を予定し、順に採用を進めている。金沢会長は「北陸は有効求人倍率が高く、なかなか採用が難しい。石川で70〜80人、他は関西で集める」と話した。

2018/06/21 01:50
北國新聞
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