>>827
円高になれば輸入物価が下落する。さらに、企業の競争を促進させ、輸入物価の低下が消費者物価の低下に反映されやすい状況をつくる。そうすれば、実質賃金が上昇する。そして、実質消費が増大することで、経済成長が実現する。
いま日本に求められているのは、実質賃金を引き上げて、消費主導の経済成長を実現することなのである。 
10年から12年前半にかけての日本経済は、このような状況だった。物価が下落し、実質賃金が上昇した。株価が低迷を続けたので、この時期は経済が停滞していたと思われることが多いのだが、実際には逆だったのだ。

異次元緩和の終焉 野口悠紀雄