スマホが登場するより前に、知人から急な電話があった

「ウイルスでノートPCに爆弾が仕掛けられた! 電源を切ると爆発するみたいなのでなんとかして!」

そんなことはありえないと電話で説明しても納得しないので、深夜にわざわざ知人を訪ね、
眼の前で堂々とPCの電源を切って再起動させると、青くなっていた知人は矢継ぎ早に質問を繰り出した

「PCが爆発したらどう責任を取るつもりだった!?」
「どうやって爆弾を確認した?」
「解除はどうしたの?」
「また爆発しない?」

面倒くさかったが、恋人の友人でもあるのでかなり事細かく説明してあげた
PCの制御を多少ウイルスがいじくっても、マンションが倒壊するレベルの危険はないことについてまで
気がついたら外が明るくなっていて、おまけに恋人にまで誤解されかけた

ウイルスで思い出す、一番面倒くさかった思い出