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堤防決壊のメカニズムは 国内最大級の実験用水路で検証 北海道
2018年6月27日 17時11分

増水した川の水が堤防を越えたあとどのように決壊するのか調べようと、北海道の幕別町で川に設けた水路を使った大規模な実験が行われました。
実験は、国土交通省の帯広開発建設部が十勝川に設けた国内最大級の実験用水路を使って平成20年から続けています。

これまでの実験では、堤防には主に砂の多い土が使われていましたが、ことしは粘土質の土に変えて決壊するまでの過程を調べました。

幅30メートルの水路に水を流すとおよそ1時間後には高さ3メートルの堤防の一部を越え始め、あふれた水によって堤防の裏側が削られて次第に穴が開いていきました。

そして実験開始からおよそ2時間半後には堤防の一部が崩れ、一気に決壊しました。

3年前の関東・東北豪雨では、茨城県で鬼怒川が増水して水が堤防を越えたあと堤防の裏側が削られて決壊し、大きな被害が出ました。

開発建設部や研究者らは26日の実験結果を分析して、盛り土の種類によって堤防決壊までの速さにどのように違いが出るか調べることにしています。

帯広開発建設部の米元光明治水課長は「粘土質の堤防は砂が多い堤防に比べて崩れにくかったが、崩れ出すと一気に崩れた印象がある。今後データを詳しく分析して防災に役立てたい」と話していました。