活発な梅雨前線の活動による記録的な大雨は7日も降り続いた。各地で土砂崩れや河川の氾濫(はんらん)が相次ぎ、被害が拡大している。台風7号が九州に接近した3日以降、18人が死亡、1人が重体、行方不明や安否が確認できない人も多数に上っている。岡山、鳥取、兵庫、京都、岐阜の5府県では、数十年に一度の重大な災害が予想される「大雨特別警報」が引き続き発表されており、気象庁は最大級の警戒を呼びかけている。

 朝日新聞のまとめで、台風7号と大雨で、死者は広島県10人、愛媛県3人、岡山県1人、京都府1人、兵庫県1人、滋賀県1人、福岡県1人。7日正午時点で行方不明や連絡が取れなくなっているのは広島県17人、岡山県8人、福岡県3人など少なくとも39人に上っている。

 広島県では、東広島市で6日夜に男性(60)が川に流され、7日に死亡が確認された。民家に土砂が流れ込むなどして、同市西条町の民家で40代女性、三原市久井町で50〜60代の男性、同市大和町では70〜80代の男女2人、福山市新市町で60代の男性、府中市木野山町で女性1人の遺体を発見。三原市木原6丁目では民家数軒が流され、高齢女性の遺体が見つかった。広島市安芸区では車が流され、乗っていた子ども3人の行方が分からないという。

 滋賀県高島市では男性(77)が用水路に流され死亡した。

 岡山県では、笠岡市茂平で7日早朝、自動車部品会社の工場に、崩れた裏山から土砂が流れ込んだ。作業員6人が巻き込まれ、1人が死亡した。総社市では6日午後11時ごろ、国道180号に近くの川から水が流れ込み、通行規制の誘導に当たっていた警備員とみられる2人が流されたという。倉敷市では大規模な浸水被害が発生。民家3棟が流され、少なくとも2人が行方不明になっている。

 愛媛県では、大洲市北裏で7日早朝、裏山が崩れて土砂が民家に入り、住人の女性(95)の死亡が確認された。松山市沖の離島・怒和(ぬわ)島で7日午前0時50分ごろ、土砂崩れで住宅1棟が倒壊。30代の女性と娘とみられる女児2人と連絡が取れなくなっている。宇和島市吉田町では裏山が崩れ住宅が倒壊するなどして2人の死亡が確認された。

 大雨特別警報は6日、九州と中国、近畿の8府県で発表され、7日午前に福岡、佐賀、長崎、広島の4県で解除。7日午後に岐阜県に出された。気象庁によると8日午前6時までの24時間予想雨量は四国、九州北部300ミリ▽九州南部、東海250ミリ▽中国、近畿、北陸200ミリ▽関東甲信、東北、北海道120ミリ。

 山陽新幹線は新大阪―小倉駅間の上下線で7日の始発から運転を見合わせ。東海道新幹線は東京―新大阪駅間で折り返し運転。西日本の高速道路は一部区間の通行止めが続いている。

https://www.asahi.com/sp/articles/ASL7730PCL77PTIL00C.html?iref=sptop_8_01
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