枝野幸男代表率いる立憲民主党が、「経済オンチ」ぶりを露呈した。
安倍晋三首相の欧州、中東歴訪(11〜18日)を狙い撃ちし、10日にも、
内閣不信任決議案を衆院に提出する方向で検討に入ったという。
辻元清美国対委員長は「伝家の宝刀」を手に息巻くが、自由貿易を推進する日本と欧州連合(EU)の
経済連携協定(EPA)の署名式や、エネルギー外交の重要性を無視した暴挙というほかない。

「国会が開いているのに海外逃亡だ」「トップが責任を取らないから、官僚もマネしている。

安倍政権は、不信任に値する。政権が一番イヤなときに不信任案を出さないと、気が済まない」

辻元氏は5日の党会合で、森友学園問題や防衛省・自衛隊の日報隠蔽問題などに加え、
文科省前局長の受託収賄事件を引き合いに、安倍政権をこう批判した。

 会期末の22日まで残り2週間余りだが、このタイミングでの内閣不信任案の提出検討は、枝野氏が指示したという。
官房長官経験者とは思えぬ、政局優先、国益無視の「妄動」といえる。提出された場合でも、
与党は、安倍首相不在の衆院本会議で速やかに否決する構えだ。

 ベルギー、フランス、サウジアラビア、エジプトの4カ国を歴訪する今回の外遊は、とりわけ重要だ。
 安倍首相は、ベルギーの首都ブリュッセルで、EUとのEPAに署名するほか、
サウジアラビアやエジプトには民間企業幹部らを同行させ、経済関係の強化を目指す。

ドナルド・トランプ米政権が保護主義や管理貿易の手法を強めるなか、EPAの署名は、
日本がEUとともに、自由貿易体制を主導するメッセージとなる。

 また、米国はイランとの対立を深め、日本を含む同盟国に対し、
11月4日までにイラン産原油の輸入をゼロにするよう要求している。
エネルギーの約9割を中東に依存する日本が、産油国・サウジアラビアとの関係を強化することは、
安定的な石油供給ルートを確保するうえで欠かせない。

 国際政治学者の藤井厳喜氏は「EPAに署名すれば、自由貿易体制での日本の立場を強くする。
石油の輸入先を多様化することも、国益上、重要だ。

立憲民主党は『反安倍政権』のみで、とち狂った方向に突き進んでいる。国益からかけ離れた的外れな自爆行為だ」と話している。

https://www.zakzak.co.jp/soc/news/180707/soc1807070007-n1.html
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