障害者差別解消法
聴覚障害者の利用拒否 宿泊施設、後に「可能」と謝罪 熱海市 /静岡
https://mainichi.jp/articles/20180711/ddl/k22/040/153000c

 熱海市の青少年教育宿泊施設「姫の沢自然の家」が1月下旬、聴覚障害者の利用を断っていたことが、県聴覚障害者協会への取材で判明した。
2016年4月施行の障害者差別解消法は自治体などに対し、負担になり過ぎない範囲で設備を整えたり、サービスを提供したりする「合理的配慮」を義務付けている。

 協会によると、全日本ろうあ連盟の青年部が7月14、15日に1泊2日で研修会を企画。
連盟から依頼を受けた協会の会員が手話通訳者を介して、約100人の利用を申し込んだところ「聴覚障害者には対応できない。専用施設を使ってほしい」と伝えられたという。
自然の家の佐藤康弘所長は取材に「緊急時の伝達が難しいと考えた。安全確保上、他の施設が良いのではと伝えた」と話した。

 協会から相談を受けた県は熱海市側に事実確認を要請。
所管する市教委生涯学習課は「受け入れ可能」と判断し協会に謝罪。
同課の担当者は「配慮義務があることを周知徹底したい」としている。

 協会の小倉健太郎事務局長は「法律の有無が問題の本質ではない。いきなり断るのではなく、話し合って工夫できることを考えてほしかった」と話した。