07月11日 16時43分
https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagano/20180711/1010004224.html

国宝・松本城の、外堀の復元を目指していた松本市は、掘削をおこなう予定の土地で土壌汚染が確認されたとして、復元事業をいったん断念することを決めました。
市は今後、土地の活用方法について協議していくとしています。

松本市は地域の魅力を高めようと、2024度末までの完成を目指して、明治時代に埋められた松本城の西側と南側の外堀を復元する計画をたて、土地を買収するなどして事業を進めてきました。
一方で、堀削を行う土地に汚染がないか、市が独自に調査したところ、土地の3割に当たるおよそ3800平方メートルで、多いところで基準値の3倍の鉛と化合物が検出されたということです。
市によりますと、鉛などは自然由来で、周辺の水質検査で人への健康被害はないと確認されましたが、土の撤去には、およそ4億6000万円の費用がかかることがわかったということです。
このため市は、財源を確保するのは難しく、土地の所有者の理解も得られないとして、外堀の復元事業をいったん断念することを決めました。
今後事業を見直し、土地の活用方法を協議していくとしています。
松本市の菅谷昭市長は11日の定例会見で「多くの方が楽しみにしていたもので非常に残念であり、地元町会の方々には大変申し訳ない。将来に向けては外堀の復元を最終目標に、土地の活用方法を検討していきたい」と話していました。