>>323
日本人に特徴的なハプログループとしてM7aとN9bがあげられる。ほぼ日本列島にのみ分布する。
http://ori.owlowlowl.net/_src/6666/m7an9bdistributionjpn.png

ハプログループM7aは沖縄と北海道アイヌに多く日本本土の東京と東北でやや少ないM字型の分布傾向を示す。M7aは南から北に向かって減少する傾向を認める。
ほかにN9b以外に、こうした一定の傾向を示すハプログループは存在しない。
ハプログループN9bは沖縄に多く西日本に少なく東日本に多く分布している。南から北に行くほど徐々に頻度を増す地理的な勾配を認める。


ハプログループM7aはほぼ日本列島にのみ(7.47%)存在し、特に沖縄に多く分布する(24.2%)。
http://ori.owlowlowl.net/_src/6659/m7a2fm7b2fm7c.png

ハプログループN9bはほぼ日本列島にのみ(2.13%)存在し、北方ルートの代表ではないかと言われている。
http://ori.owlowlowl.net/_src/6665/a2fn9a2fn9b2fy.png


N9bは、現代日本人に2.13%しか見られないタイプだが、北海道縄文人に65.9%、東北縄文人に41.7%という高い割合で見られるタイプである。
そして南方に痕跡がないことなどから、北方から渡来してきた集団であると推測できる。

縄文時代のミトコンドリアDNA調査でもう一つ特徴的なのは、東北縄文人に占めるM7aタイプの多さである。
このハプロタイプは東北縄文人の50%を占めている一方、北海道縄文人に占める割合は6.8%、関東からは5%でしかなかった。

M7aタイプは現代日本人の7.47%でしかないが、現在でも北海道アイヌでは16%、沖縄には20%という高率で確認されている。
しかしなぜ本州から消え失せ、北海道アイヌと沖縄に多く残っているのかは謎である。