https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32898990S8A710C1000000/

 【シリコンバレー=中西豊紀】米ツイッターは11日、不審な投稿を繰り返すようなアカウントによる「偽のフォロワー」を数千万規模で世界で削除すると発表した。ツイッターのユーザーによってはフォロワー数が大幅に減る可能性がある。偽情報の拡散を防ぐ一環で、ネット界での人気を誇示するためにフォロワー数を集めてきたユーザーにとっては痛手となる。

 12日から始める。削除対象となるフォロワーのアカウントはツイッターが凍結措置をとっているもの。文脈とは関係なく大量のコメントを投稿していたり、内容が不透明なネットのリンク先を貼り付けていたりするアカウントで、ツイッターとして発信者の確認ができない限りは凍結を解除しない。

 発表声明でツイッターは、多くのユーザーは「4アカウントかそれ以下」のフォロワー減で済むとしているが、場合によっては「かなりの減」を経験するユーザーも出るとしている。米紙ニューヨーク・タイムズは政治家やモデル、作家などでフォロワーを外部事業者から買っている例があると指摘している。

 ツイッターは現在、3億3600万の月間ユーザーがいるが、凍結アカウントはこの中に入れていないため「ユーザー数は減らない」と説明している。また凍結アカウントは実際の人間が運用しており、機械によるスパム目的のアカウントとは異なるという。今回とは別にツイッターはスパム対策も進めている。

 フェイスブックと同様にツイッターも2016年の米大統領選での偽情報の拡散で政治家や市民団体らの批判を浴びている。フェイスブックは不正な広告の排除に力を入れる一方で、ツイッターも不正アカウントの摘発を急いでいる。玉石混交の情報を売りにしてきたネット大手がその情報の整理を迫られるという皮肉な展開はまだしばらく続きそうだ。