7/12(木) 8:16配信
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 【広島市安芸(あき)区、広島県坂町で報道部・榊悟、八重樫和孝】西日本豪雨で甚大な被害が出た広島県の被災地は、二次被害の懸念やライフラインの寸断などで11日になっても、災害ボランティアの活動が本格化していない。猛暑の中、疲労の色を濃くする被災者。「今こそ、東日本大震災の恩返しをする時」。本県の関係団体は、震災を機に交流を深めた全国の仲間と共に、本格復旧に向け支援態勢の構築に動きだした。

 広島市安芸区の矢野東地区。救助隊が行方不明者の捜索を行う中、高校生の有志が幹線道路の土砂をかき出していた。今田愛也(まなや)さん(広島翔洋高3年)は「食料が少なく、公共交通もまひ。でも、よく使う道路なので力になりたい」と前を向いた。

 だが、住宅地に入ると人影は少なく、沢沿いの道路は至る所で崩落。土石が流れ込み、基礎が傾いた住家が目立つ。「大きな岩もあって個人ではもう限界。隣の家も崩れそうで安心して暮らせない」。流れ込んだ土砂を近所の人と撤去していた運転手細尾一郎さん(51)はこう嘆いた。

 広島県内では、被災規模の少ない地区を中心に災害ボランティアセンターが設立されているが、いまだ活動は本格化していない。同区では11日時点、避難指示が発令中のため活動の見通しも立たない状況だ。同区に隣接する坂町中心部では増水した総頭(そうず)川から大量の土砂が流れ込み、重機で取り除く作業が急ピッチで進む一方、住家の大半は手つかずのまま。ボランティアセンターは12日から活動を開始するが、復旧作業は長期に及ぶとみられている。