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生きてこそ光り輝く―19歳、養護学校から女流王将へ    単行本   2000/10
石橋 幸緒 (著)

ずっと病院のベッドで寝たきりの生活が続き、初めてベッドから降りたのも、口から固形物を食べたのも4歳のときだった。
それでも何とか養護学校に入学。3年生の夏休み、病院に向かう踏み切りでたまたま目にした看板がきっかけとなり、彼女は
将棋教室に入門することになった。以来めきめき頭角を現し、5年生になったころには平手で大人を負かす実力となり、
プロの棋士を目指しはじめたのだ。そして「アマ女王戦」に優勝。翌年「女流アマ王将戦」でも優勝し、プロ養成のための
「育成会」入りを許された。

★生徒一人一人の個性や可能性を最大限に生かす、という養護学校の方針も、そんな彼女の後押しをしてくれた。★

途中、急性腸炎での再入院や、病院ベッドから対戦に出向く苦労などを乗り越えながら、中学1年の秋にプロ入り。18歳では
「第21期女流王将戦」で、自らの師匠、清水市代女流王将からタイトルを奪取した。「どんな人にも、光り輝くものがある。
まだ隠れているそれを見つけだし、輝かせるのは生きるという意志なのだ」。本書は、そう語る彼女の力強い「生」への賛歌である。