岡山・真備の学習塾、「学びの場」無料開放=浸水の塾、夏休み前倒しで−西日本豪雨

明光義塾真備教室が無料開放され、真剣なまなざしで机に向かう子どもたち=14日、岡山県倉敷市
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無料開放された学習塾「明光義塾真備教室」で勉強する子どもたち=14日、岡山県倉敷市
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時事通信(2018/07/14-18:24)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018071400478&;g=soc

 西日本豪雨で大きな被害を受けた岡山県倉敷市真備町地区では、小中学校や幼稚園などが臨時休校を続け、そのまま夏休みに入る。地元の学習塾は子どもたちに「学びの場」を提供しようと、塾生ではない子にも無料で教室を開放している。教科書が水に漬かって使えず、避難生活で離れた友だちと会う機会がない子も多い。「学校に行けない子に利用してもらいたい」と、早期の再開を目指してきた。
 市教育委員会は、同地区の15校・園について19日までの臨時休校を決定。20日からは夏休みに入る。学校の再開は早くても9月ごろ。塾を経営する岩崎勲さん(64)は「子どもたちが勉強から遠ざかってしまう」と心配した。
 無料開放を始めた「明光義塾真備教室」は、地区でも水が引くのが遅かった真備町箭田にある。塾は2階まで浸水し、1階は机やホワイトボード、教材などが泥にまみれ散乱。駐車場は厚い泥に覆われた。

 事務所があった2階は被害が比較的小さかった。塾生も加わって片付けを急ぎ、周辺の塾から机や椅子、教材やノートを集めた。再開は、水が引いてわずか4日目の12日だった。
 「避難所には、勉強ができる環境にない子もいる。地域への恩返しとして何ができるだろうか」。岩崎さんが考えたのは、学校に通えない子にも塾を開放することだった。保護者も子どもが学べない状況を心配しているはずだと思った。
 14日には初めて塾生ではない子が訪れ、真剣なまなざしで勉強した。塾生の友人に誘われ、久々に机に向かった中学3年の中村幸誠さん(15)は、塾のテキストで英語を学習。「学校も部活もしばらく休み。久しぶりの勉強だった」とほほ笑んだ。(2018/07/14-18:24)