全国各地で厳しい暑さとなった18日、関西電力管内の電力需要は今夏最大となり、電力需給が逼迫(ひっぱく)した。このため関電は同日、他の大手電力に対し、平成25年8月以来となる緊急の電力融通を要請。東京、中部、北陸、中国、四国の5電力から計100万キロワットの供給を受けて乗り切った。猛暑が今後も続けば、電力需給は予断を許さない状況だ。

エアコン使用が想定上回る

 関電管内ではこの日、午後2〜3時台に電力の最大需要が2856万キロワット(速報値)に達し、2日連続で昨夏の最大需要だった2638万キロワット(確報値)を上回った。この時間帯の供給力は2915万キロワットで、供給力に占める電力使用率は97%を上回り「危険域」に入る見込みとなったため、契約事業者に電気の使用を抑制するよう依頼するとともに、電力の緊急融通を要請。融通を受けた結果、使用率は94%(速報値)にとどまった。

 関電によると、定期検査中の高浜原発4号機を除く原発3基(出力計323万キロワット)と、稼働できる火力発電所30基(出力計1411万キロワット)をフル稼働させたが、冷房の使用が想定を超えて伸びたという。

 関電は原発を電力の安定供給を担う「ベースロード電源」と位置付けているが、高浜4号機が9月まで定期検査が予定されているうえ、高浜3号機も8月3日から定期検査に入る予定で、供給力が制限される。関電は「現状、節電要請は予定していない」と説明するが、8月以降も猛暑が続けば、再び緊急融通の要請を強いられる恐れもある。

2018.7.18 21:10
産経WEST
http://www.sankei.com/west/news/180718/wst1807180101-n1.html