>>1続き

■「ソースは本人だから安心安全」としていたが...

なぜ、今回のバズフィードの企画はNGだと判断されたのか。

まず、アイドルグループなどのメンバーについて、Wikipediaでは原則として「ソロとして特筆すべき活動のない人物」の場合は個別のページ作成を認めていない。そのため、他の編集者から、基準を満たさないただの「自己宣伝」と判断されたようだ。

また、バズフィード側は記事を紹介する12日夜のツイッター投稿で、

「ソースは本人だから安心安全」
と書いていた。

だが、本人から直接聞いた情報を記載することは、中立性を担保することや第三者による検証が難しいことから、Wikipediaが掲げる掲載基準に反している。つまり、「安心」でも「安全」でもないワケだ。また、Wikipediaの編集案内ページには、

「自分自身の記事をつくらない」
という注意事項をまとめた項目も。今回の手法は、こうしたガイドラインにも反する可能性がある。

そのため、こうしたWikipediaの基本的なルールに反したバズフィードの企画をめぐって、ツイッターやネット掲示板には、

「BuzzFeedはWikipediaを何だと思ってるんだろうか?」
「ネットメディアなんだからウィキペのルールぐらい把握して書けよ」
「さすがに『バカジャネーノ』しか言葉が出てこない」
などと呆れたような反応が相次いで寄せられた。

■ BuzzFeed「(記者は)ガイドラインを把握していた」

今回の騒動について、BuzzFeedJapanの広報担当者は18日夕、J-CASTニュースの取材に対し、

「担当者はガイドラインは把握しておりましたが、著名人に取材をし、それを元にWikipediaの記事を作ることが『自分自身の記事をつくらない』などのガイドライン違反にあたると判断される可能性を考慮しておりませんでした」
と釈明。今回の企画にガイドライン違反との指摘が寄せられたことを「重く受け止め」るとして、記事の修正と追記を行ったと回答した。

実際、18日20時時点で記事の見出しは、当初の「『BiSH』と一緒に、メンバーそれぞれのウィキペディアを作ってみた ソースは本人!」から、

「『BiSH』と一緒に、メンバーそれぞれのウィキペディアに載るような情報を聞いて見た」
と変わっていた。

つまり、本来の企画の「Wikipediaページを作る」という部分に関する記述がすべて変更されていたのだ。当初は、バズフィードが作成したWikipediaページのスクリーンショット画像も掲載されていたが、これも削除されていた。

こうした修正を行った上で、記事の末尾には、

「記事に対し、ウィキペデディア(原文ママ)の『自分自身の記事』『特筆性の乏しい人物の宣伝行為』を禁止する規約に違反しているとのご指摘をいただきました。ウィキペディア上の記事は現在、削除されております。ご指摘を受け止め、見出しやウィキペディアへのリンクなど、記事を一部修正させていただきました」
との説明が追記されていた。