7/20(金) 12:36配信
Web東奥

 小川原湖産天然ウナギの仲買人への販売価格(浜値)が急上昇している。昨年は1キロ当たり平均7千円台だったが、今年は19日までの平均が約1万1千円、高値が1万6千円台と、ともに過去最高を記録している。全国的な品薄状態、今年から増えた入札による競り合いなどが理由とみられる。多くは東京など青森県外に行くもようで、県内の消費者にはますます高根の花になりそうだ。

 小川原湖のウナギ漁は、資源保護のため、漁期が6月1日から9月30日までと日本で最も短く、全長41センチ以上しか捕れない決まりになっている。大きなサイズのものが他産地より多く捕れるため、高い値段で取り引きされる傾向がある。

 今年から小川原湖漁協(東北町)は組合員に、捕ったウナギ全量を漁協に出荷することと漁獲の報告を義務付けた。組合員はその後、業者と相対取引をしたり、競りに出す。

 同漁協によると、約70トンの漁獲高があった1994年の平均単価は1キロ約2500円。昨年は過去最少の540キロしか捕れず、同漁協の卸売魚市場の平均単価は7345円だった。今年は19日までの平均が1万1159円。高値は、解禁直後の6月2日に9193円だったが、その後、高騰して同29日に1万6011円、7月17日には過去最高の1万6596円を記録した。

 細井崇会計主任は「価格の高騰は20日の土用の丑(うし)に向けた動きではなく、全国的に天然ウナギが品薄状態のためではないか。小川原湖の漁獲高も昨年と同程度とみている。あまりに値段が高くなると消費者離れの懸念がある」と分析する。

 市場関係者からは、今年は入札が増えて業者同士の競り合いも高値の一因−という指摘がある。ある仲買人は「全国のウナギを扱っている高級店の中には『小川原湖産の品質は日本一』という店もある。競り落とされたウナギは、ほとんど東京など県外に行くのではないか」と話している。

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