西日本豪雨の被災者に中古エアコンを無料プレゼント 愛知県のリユース企業
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環境ビジネスオンライン2018年07月20日掲載
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エアコンのリユース事業を展開する元気でんき(愛知県名古屋市)は、西日本豪雨で被災した人や公共施設の復興への貢献のため、中古エアコンを無償で提供すると発表した。まずは50台のエアコンを準備し、7月18日より「エアコン無償提供事業」を開始した。

必要とする人、または必要とする人を知っている人は、同社へ連絡するよう呼びかけている。

なお、同事業で無償提供するのは、中古エアコン本体のみだ。エリアの問題もあり、同社では設置工事は行わない。同社では設置工事をしてくれる協力先を募集している。

●2014年にエアコンのリユース事業をスタート

元気でんきでは、主に電気空調設備工事と家庭用・業務用中古エアコンの買取・販売の2つの事業を手がけている。後者のエアコンのリユース事業は、2014年6月に新規ビジネスとして開始した。

これまで、家庭やオフィスで不要となったエアコンはリサイクルの対象ではあったが、リユース(中古品として再使用)の対象ではなかった。エアコンは壁に設置されているため、他の家電製品に比べ、取り外しの手間がかかる。また、中古品として販売するには、点検・清掃の必要があり、相応の手間暇と技術力が必要されることが、エアコンのリユースが進まない要因だった。

そのため、たとえば賃貸物件では原状復帰が義務であることから、まだ使えるエアコンを賃借人がリサイクル料を払って廃棄し、次の入居者が改めてエアコンを買い直すという「もったいない」状況が発生していた。

そこで同社は電気工事事業者としての実績と経験を活かし、大量のエアコンを素早く点検・清掃可能な「エアコン・リユース工程」を開発、エアコンのリユース事業「エアコン買取王」を本格的に展開した。これまでに12,546台(2017年12月末現在)の中古エアコンを販売してきた。

●事業をベースに被災地を支援

夏季の猛暑では気温が35度以上に上昇することもあり、熱中症・脱水症のリスクが懸念される。また、エアコンがない環境は時に命にかかわる問題となる。一方で、7月に発生した西日本豪雨では甚大な被害が発生し、猛暑の中、被災者は不便な暮らしを余儀なくされている。

元気でんきとして、被災地にできることを考えた結果、自分たちの事業をベースに、「エアコン無償提供事業」を実施することにした。決して高みから寄付するといった意味合いではなく、「困った時はお互い様」「自分たちにできることにてご協力」する意図から本事業を企画したと説明している。

同社は一過性ではなく今後も、エアコンが必要ながら何らかの理由により導入できない人を支援する事業の継続実行を模索していくという。また、まだ使えるエアコンを解体するのではなく、不要な人から必要な人への橋渡しができるよう、それが継続的な行えるよう、取り組みを進めていくとしている。

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