2018年7月21日9時27分 朝日新聞デジタル
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 米国のトランプ大統領がドル高や米利上げを批判する異例の発言を繰り返したことを受け、20日のニューヨーク外国為替市場ではドル売りが優勢となり、円相場は円高ドル安が急速に進んだ。午後5時(日本時間21日午前6時)時点では1ドル=111円43〜53銭で、前日の同時刻に比べ1円00銭の円高ドル安となっている。

 トランプ氏は20日朝、「中国や欧州連合(EU)が金利を低くして為替を操作している」などとツイートし、輸出に不利になるドル高への不満をあらわにした。

 利上げを進める米連邦準備制度理事会(FRB)に対しても「(金融)引き締めをすれば全成果を損なう」とあからさまに批判した。政府からの独立性が厳しく問われるFRBの金融政策に大統領が直接注文をつけるのは極めて異例で、市場に動揺が広がった。

 トランプ氏はさらに、この日朝放送の米経済専門テレビCNBCのインタビューで、中国からの全輸入品(年約5千億ドル相当)について制裁関税を課す「準備がある」と述べた。米中貿易摩擦がさらに深刻化することへの警戒感も、ドル売りを誘った模様だ。(米カンザス州=江渕崇)