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香港の「パートタイムガールフレンド」 SNSで若年化する援助交際
2018年7月21日 17:00 
発信地:香港/中国 [ 香港 アジア・オセアニア ]

【7月21日 AFP】香港の「パートタイムガールフレンド」にとって、ソーシャルメディアは性行為を求めるクライアントと簡単につながることができる手段だ。だが、支援団体はソーシャルメディアの手軽さから、わずか13歳の少女までもが危険に身をさらす状況になっていると警告する。

「パートタイムガールフレンド」とは、学校に通ったり働いたりしながら、副業として援助交際などの売春行為をする若い女性が、自分たちのことを遠回しに呼ぶ言葉だ。

 女性たちは、「part-time girlfriend(パートタイムガールフレンド)」の略称「ptgf」をいろいろ変化させたハッシュタグを用い、インスタグラム(Instagram)などでクライアントの男性とつながる。その後、ダイレクトメッセージに切り替え、サービスの内容や実際に会う方法などのやり取りをする。

 インスタグラムは「#ptgf」や「#hkptgf」のハッシュタグでの検索をできなくしたが、女性たちはこれに漢字やイニシャルを織り交ぜ、新たなハッシュタグのブロックを回避している。

 現場の支援スタッフによると、主に孤独、好奇心、家庭問題、金銭的な理由などの動機から、女性たちはこうした売春行為を始めるという。

 高校生のキキさん(仮名)は、17歳の時にパートタイムガールフレンドとなった。「#ptgf」のハッシュタグの一つを使えば、インスタグラムで男性を探すのは簡単だったという。AFPの取材には「姉と言い争いをして気分が悪かったので、誰か話を聞いてくれる相手が欲しかった」としながら、「初めの数回はとても気分が良かったので、付き合ってくれるクライアントを探し続けた」と述べた。

 キキさんは、知らない人と会うのは怖かったが、金銭的な魅力が不安を上回ったことを認めた。「私の家族はあまり裕福ではなかったので、自分らお金を稼ぎ、貯金した」と話すキキさんがクライアントに請求した料金は、ディナーまたは「おさわり」が300香港ドル(約4200円)、そのほか性的サービスが1000香港ドル(約1万4000円)だった。

 始めてから1年未満でパートタイムガールフレンドはやめた。恋人ができたためだ。

 19歳になった今、キキさんは後悔の念に駆られているという。「未来の恋人や夫は、(この事実を)受け入れられないかもしれない。常に、心臓を針で突き刺されているような気持ち」だと説明し、他の少女たちに対しても、行動に移す前によく考えるよう呼びかけた。

■あいまいになる売春の境目

 香港の25歳未満のセックスワーカーを支援する慈善団体「ティーンズ・キー(Teen's Key、青躍)」の専務理事ボウイ・ラム(Bowie Lam)氏は、若い女性は、オンラインでのクライアントとのつながると大丈夫だ、という誤った安心感を持ってしまうと指摘する。

 香港の25歳未満のセックスワーカーを支援する慈善団体「ティーンズ・キー(Teen's Key、青躍)」の専務理事ボウイ・ラム(Bowie Lam)氏は、インターネット上でのクライアントとのつながりに対し、若い女性らは何も問題がないとの誤った安心感を抱きがちだと指摘する。

 ラム氏は、パートタイムガールフレンドが低年齢化している背景にあるのは、ソーシャルメディアがあると考えている。「ネットワーク上でクライアントを選別することができると思い、自らが主体的にコントロールしていると考えてしまう。それが境界をさらにあいまいにしている」

 これらの若い女性は、香港の古くからある歓楽街の怪しげな部屋やバー、クラブなどを拠点としていないために、自らをセックスワーカーと見なしていないことが多い。

 最初は売春の提案をせずにクライアントに会い、テーマパークやディナー、さらにはハイキングなどに連れて行ってもらうこともある。だが、より多くのお金を提示されれば、大抵は売春行為に至る。「少女たちは暴力的に扱われ、時にはレイプされることもある」とラム氏は、AFPに述べた。
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