https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180726/k10011549511000.html

オウム真理教の一連の事件で死刑が確定している林泰男死刑囚ら2人に死刑が執行されたことが、
関係者への取材でわかりました。教団の元代表の麻原彰晃、本名・松本智津夫元死刑囚ら7人には、
今月6日に刑が執行されていて残る6人の刑の執行が焦点になっていました。

オウム真理教は平成元年の坂本弁護士一家殺害事件や、平成6年の松本サリン事件、平成7年の
地下鉄サリン事件など、数々の事件を引き起こし、合わせて29人が死亡、およそ6500人が被害に遭いました。

平成7年3月から始まった強制捜査では192人が起訴され、首謀者とされた松本元死刑囚など13人の死刑が確定しました。

一部の元信者が逃亡を続けたため刑事裁判は長期化しましたが、ことし1月に地下鉄サリン事件などに関わった
高橋克也受刑者の上告が退けられたことで終結し、死刑囚が事件について証言を求められる機会がなくなりました。

その後、一部の死刑囚は東京拘置所から全国5か所の拘置所や拘置支所へ移送され、今月6日、元代表の麻原彰晃、
本名・松本智津夫元死刑囚ら7人に刑が執行されました。

ほかの6人は東京拘置所、名古屋拘置所、仙台拘置支所に収容されていましたが、関係者によりますと、
26日、林泰男死刑囚(60)ら2人に死刑が執行されたということです。

林死刑囚とは

林泰男死刑囚(60)は、昭和63年に出家した古参の幹部で、教団の「科学技術省」次官として、施設の電気工事などを行っていました。

平成6年の松本サリン事件では、サリンをまく車の製造に関わりました。13人が死亡、およそ6300人が被害を受けた
平成7年の地下鉄サリン事件では、日比谷線にサリンの入った袋をほかの実行犯より1つ多く持ち込み、
その車両では8人が死亡するという最も大きな被害が出ました。

林死刑囚は事件のあとも1年半以上、逃亡を続けましたが、平成8年12月に沖縄の石垣島で逮捕されました。

裁判では事件に関わったことを認め、平成20年に死刑が確定しました。

平成27年には逃亡を続けていた元信者の高橋克也受刑者の裁判で、地下鉄サリン事件の当時の状況を証言しました。

林死刑囚は事件の2日前に教団の幹部から実行役を打診された時の心境について、
「断ったらやばいと感じた。自分の家族に危険が及ぶかもしれないし、麻原彰晃、本名、松本智津夫元死刑囚に
『教団を出たらポアする』と言われていた」と説明しました。

そして、「事件で被害を受けられた皆様におわび申し上げます」と謝罪の言葉を述べました。

林死刑囚は事件後に名字を小池に変えていました。