猛暑、動物園ではゴリラに水槽 京都・水やりに追われる植物園

今年初めて設置された水槽の水を眺めるニシゴリラ(京都市左京区・市動物園)
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 京都市内では25日、12日連続で猛暑日となった。うち10日間は最高気温が38度を超え、2週間以上雨も降っていない。記録的な暑さが続くなか、地域の夏祭り中止や写生大会の会場変更といった影響が出始めた。動物園や植物園など市民の憩いの場も酷暑への対応を迫られている。

 東山区の貞教学区は28日に予定していた恒例の夏祭りを中止した。当日はやや気温が下がる予報が出ているものの、祭りの実行委員に高齢者が多いことに配慮した。「連日の猛暑続きで疲れもたまっている。当日に多少涼しくなったとしても体調を崩す恐れはぬぐえない」。同学区自治連合会の辰野友昭会長(38)が中止の理由を話す。

 左京区の動物園や植物園でも、今年は例年以上の猛暑対策に追われる。府立植物園では、29日に開催予定の「夏の子ども写生大会」の会場を室内に変更した。西原昭二郎副園長(58)は「室内で鉢植えの植物などを描く形で開催したい」と話す。

 西日本豪雨があった今月上旬以降雨が降っていないため、園内では職員が水やりに追われている。散水用の地下水を一度に多量にくみ上げるとポンプに負荷がかかって水圧が低下するといい、園内のトイレが一時的に流れなくなるなどの不便も生じている。

 市動物園では、今年初めてニシゴリラ飼育舎の大型プラスチック容器に水を張り、好きな時に涼めるようにした。本来は水が嫌いな動物だが、あまりの暑さのためか手足をつけたりしているという。

 一方、サル山に日陰は少ない。市民からサルの健康を気遣う声もあるが、園で飼育するアカゲザルは比較的暑さに強い。またほとんどが同園生まれのため、「油照り」とも呼ばれる京都の暑さに慣れている。必要に応じて暑さをしのげるよう室内への入り口を開放し、自由に出入りできるようにしているという。

 「体力のない高齢者と子どもが心配なのは人間と同じ」と広報担当の山下直樹さん(55)。「高齢のサルは冷暖房完備の飼育舎に入れるなど特に気を使っています」と話している。

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