◆三菱重工、H-IIBロケット7号機のコア機体を公開 - 9月に打ち上げ

■ロケットが大気圏に再突入したらどう壊れるのか?

三菱重工業(MHI)は2018年7月23日、同社飛島工場(愛知県飛島村)において、製造中のH-IIBロケット7号機のコア機体を公開した。
機体はこのあと種子島宇宙センターへ送られ、組み立てや試験を実施。宇宙ステーション補給機「こうのとり」7号機を載せ、9月11日に打ち上げられる予定となっている。
今号機では、大気圏再突入時にかかる空力加熱や圧力などのデータを取得するため、ロケットの第2段機体に「ロケット再突入データ取得システム」と呼ばれる、小さな再突入カプセルが搭載されている。

写真:H-IIBロケットの第1段機体。2基のロケット・エンジンと、H-IIAよりも太くなっているのが特徴
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■H-IIBロケット

H-IIBロケットは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工が開発した大型ロケットで、宇宙ステーション補給機「こうのとり」など、重い衛星を打ち上げることを目的として造られた。
その最大の特徴は第1段機体で、日本の主力大型ロケットH-IIAの技術をベースに、H-IIAに1基装着されているLE-7Aエンジンを2基装着し、さらに推進剤の搭載量を増やすためタンク(機体)の大きくするなどし、大幅な性能向上を実現した。

全長は56.6m、打ち上げ時の質量は531トンで、「こうのとり」が打ち上げられる地球低軌道(高度約350〜460km、軌道傾斜角51.6度)に、約16.5トンの打ち上げ能力をもつ。
軌道などにもよるが、H-IIAと比べ、約1.3倍から2倍の性能向上を果たしている。

H-IIBは2009年に初めて打ち上げられ、現在までに6機すべてが打ち上げに成功。
積み荷はすべて「こうのとり」で、国際宇宙ステーション(ISS)に補給物資を送り届けてきた。
また4号機からは、打ち上げ業務が三菱重工に移管されており、同社の打ち上げ輸送サービスのラインナップのひとつ、すなわち商業ロケットとして運用されている。

今回の7号機のコア機体(第1段、第2段機体と段間部の総称)は、すでに飛島工場において機能試験を終了し、機体公開時点で出荷準備が進んでいる状態にあった。
このあと、7月25日に同工場から出荷され、27日に種子島宇宙センターに搬入。
打ち上げに向けた組み立て作業が始まることになっている。

なお、IHIエアロスペースが製造を手がけている固体ロケット・ブースター(SRB-A)はすでに宇宙センターに搬入済み、川崎重工が製造する衛星フェアリングも同じく宇宙センターに届いているという。
打ち上げは、2018年9月11日の7時32分ごろ(正確な時刻はISSの軌道によって決定)に予定されている。

写真:公開されたH-IIBロケット7号機のコア機体。
中央にあるのが第1段機体で、その奥に見えるのが第2段機体と、両者ををつなぐ段間部
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宇宙空間とロケットの未来に向けた「ロケット再突入データ取得システム」
今回のH-IIBロケット7号機で、最も目新しい点は、第2段機体に搭載された「ロケット再突入データ取得システム」である。

これはJAXAが開発した小さな再突入モジュール(カプセル)で、宇宙空間から大気圏に再突入したロケット機体が、どのような環境にさらされ、どのように溶けて壊れていくのかを調べる。
得られたデータは将来的に、スペース・デブリ(宇宙ゴミ)を発生させないようなロケットの開発などに役立つという。

再突入モジュールは鈍頭形状をしており、温度センサ、歪みセンサなどを搭載し、機体表面にかかる圧力や、内部の圧力、温度などを測る。
この再突入モジュールは打ち上げ時、第2段の気蓄器の搭載箇所に装着されている。
ちなみに第2段の気蓄器の搭載場所は4か所あり、今回のようなミッション時間の短い打ち上げでは2つの気蓄器、すなわち2か所しか使わないため、空きスペースができるのだという。

写真:H-IIBロケットの第2段機体
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マイナビニュース 2018/07/30 13:56:48
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※続きます