ジンバブエ大統領に現職ムナンガグワ氏当選 落選の野党議長、不正集計と主張
2018.8.3 20:21 産経新聞
https://www.sankei.com/world/news/180803/wor1808030025-n1.html

ジンバブエ大統領選で勝利したエマーソン・ムナンガグワ氏
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最大野党・民主変革運動(MDC)のネルソン・チャミサ議長(中央、2018年7月30日撮影)
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【カイロ=佐藤貴生】ジンバブエで7月30日に投票された大統領選で、選管当局は3日未明、与党を率いる現職のムナンガグワ大統領(75)が投票総数の50.8%を得票して当選したと発表した。対抗馬の野党議長、チャミサ氏(40)の得票率は44.3%だった。

選挙は国の成立から約37年間、強権をふるったムガベ前大統領(94)が政界から身を引き、再生に向けた節目と位置づけられたが、1日の軍との衝突で野党支持者6人が死亡するなど、強権体質が残っていることを強く印象づける結果となった。

ムナンガグワ氏はツイッターに「新たなスタートだ。みんなで新しいジンバブエを建設しよう」と書き込み、国民に団結を呼びかけた。
一方、チャミサ氏は、開票結果の発表が遅れたのは不正集計があったからだ−と主張しており、選管に詳細な開票データを公表するよう主張した。

警察当局は2日、チャミサ氏が率いる最大野党、民主変革運動(MDC)の本部を封鎖し、16人を逮捕した。
旧宗主国の英国や海外の選挙監視団からは、軍の鎮圧時の行動は行き過ぎだといった批判の声が出た。

大統領選の結果は、ムガベ体制後も国民の間に分断が深まっていることを示した。
民主化実現の行方や、経済の立て直しに向けて期待されていた海外からの投資回復も不透明になりつつある。
大統領選と同時に実施された議会選では、与党が3分の2を超える議席を獲得した。