8/4(土) 18:07配信
毎日新聞

 「ありのままの自分」を大切にしたい−−。LGBTなどの性的少数者が「成りたい人」への一歩を踏み出すことをテーマにした「ぐんまにじいろ成人式(LGBT成人式)」が8月11日、群馬県高崎市足門町の市民活動センターソシアスで開かれる。LGBT成人式の開催は県内では初。年齢やセクシュアリティー(性のあり方)を問わず誰でも参加でき、服装は自由。トランスジェンダー女性(戸籍は男性、性自認は女性)のヘイリーさん(19)=前橋市=は「『私らしさ』を表現し、自分に誇りや自信を持つきっかけにしたい」と楽しみにしている。【鈴木敦子】

 ヘイリーさんは日本人だが、親の仕事の都合で中学時代から欧米で生活したことがあり、こう名乗っている。

 子どものころから女の子と一緒に遊ぶ方がしっくりきた。「おかま」「なんでいつも女子といるの」。男子グループからいじめられ、女子グループとの友情を切り裂かれた。

 声変わりが始まると、「自分が自分でなくなる」という恐怖や絶望感に襲われた。でも、誰にも相談できなかった。

 進学した県立高校の制服は詰め襟の学生服。校則で男子だけ短髪を強いられた。「制服も髪形も嫌」。そんな訴えが、生徒指導担当の教師の目には「反抗的態度」と映ったのか、「それを認める代わりに特別扱いしていいのか?」と言われた。全校生徒に自らのセクシュアリティーを明かすよう迫られた気がして、我慢した。「特別扱いではなく、ごく自然に認めてもらいたかった」。同じ境遇だった他校の友人は耐えきれず退学した。それほど苦痛なのだ。

 だから、成人式では思う存分着たい服を着て、好きな髪形で臨むと決めている。「成人の辞」としてスピーチもする予定だ。かつて「性別なんて関係ない。あなたはあなた」と励ましてくれた叔母に向けて、感謝を伝えたいという。

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 ぐんまにじいろ成人式は午後1時開会。自らの性別に違和感を持つ主人公を描いた映画「僕らの未来」の上映会などがある。午後5〜7時は懇親会で、懇親会の参加費は500円。それ以外は無料。

 申し込み方法など詳細は主催者のセクシュアルマイノリティ支援団体「ハレルワ」のホームページ(https://hareruwa.tumblr.com/)から。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180804-00000043-mai-soci