ちなみに朝廷側の兵力をエミシ38年戦争の後の状態(9世紀初頭)で見てみよう
出羽・陸奥(今の東北全域を指す)において
朝廷軍はおよそ1万人ぐらいとの記録が残っている

もっとも実際には、国府、城、柵の防衛には沢山の俘囚長を使っていたようなので
おそらく本当の意味での朝廷軍は5千ぐらいだったのではないか
これが9世紀の最初だが、その後財政難で次第に減っていったようである
10世紀になると記録すらあまり残っていない

要するに朝廷の東北支配は10世紀になると有名無実になるのだ
この10世紀の空白のあとに、11世紀になると今度は各地に朝廷側の豪族が現れてくる

それが奥州藤原氏や清原氏や安倍氏なのだが
いずれも系図は不明で、俘囚長と名乗る者が多い
もちろん完全にエミシではなかろうが貴族でもない
おそらくは朝廷から派遣された国府などの役人が土着し、俘囚(エミシ)と合体した勢力なのである